2009.08.22
国・法務省を提訴しました。

神戸刑務所偽装請負事件国賠訴訟/10.8第1回裁判期日決まる!

7月27日の午後、神戸刑務所による偽装請負の中での交代要求事件で、国=法務省を神戸地裁に提訴しました。各新聞社の他にTV局も5社が取材に来ていまして、記者会見の模様はNHKの夕方の全国版でも放映していたそうです。

提訴の翌日、担当窓口の辰巳弁護士から、「無事、神戸地裁本庁第6民事部合議係事件番号 平成21年(ワ)第2296号 として受理されました。
裁判官は矢尾和子,金子隆雄,織川逸平です。」その数日後には、「第1回口頭弁論期日、は10月8日午後1時30分に決まりました。」との連絡が入りました。
 ところで情報によると、「神戸地裁6民は昨年度まではパラダイスでしたが、この4月からは裁判長(矢尾和子)は東京地裁からきた整理解雇4要件見直し検討派のエリートです。」とのことです。また別の情報では、「東京地裁労働部で一連の不当判決が続出し、全労連・全労協などでは、東京地裁・高裁への包囲行動が強められた。整理解雇4要件緩和などを進めたとして、矢尾和子も批判の対象となった裁判官の一人」とのことです。

  • 労働組合として私たち「あぱけん」が国賠で争う内容は、国家機関の団交拒否に

よって、憲法で保障された労働基本権および団結権の無視・侵害に!対する損害賠償です。兵庫県労働委員会の『命令書』のように、「有期雇用契約で期間満了後、すでに別の労働者が働いている現状では、団交再開せよとの命令は出す必要は無い。」との論理でいけば、たとえ不当労働行為として認定されても神戸刑務所のように団交拒否し続けたら、応じる義務が無くなってしまうことになり、<やり得>を容認することになります。そうなると間接雇用・有期契約で働く非正規労働者は実質上、労働組合法による権利や恩恵を受けられることになります。

■国家の一機関が労働組合法を軽視していること自体、重大な不法行為です。それが兵庫県労働委員会によって、「国・神戸刑務所による団交拒否は不当労働行為である」と認定されたこと自体、前代未聞。中央労働委員会事務局で、過去のデータを調べてもらったが、前例は無いとのことでした。

  • 本件の原告は、解雇された管理栄養士のNさんと、あぱけん労組です。「雇用契約

関係にない請負労働者=Nさんの交代要求、つまりヒトの差し替えを行なったことにたいしては、兵庫労働局が労働者派遣法に基づき、偽装請負であったとの是正指導をしていました。
 ところが厚生労働省当局は、偽装請負は派遣法違反であっても、労働者供給事業=職業安定法第44条違反とはならないとの考え。それが脱法雇用をはびこらせ、申告・告発した労働者のNさんをを泣かせていることになっています。

神戸刑務所事件国賠は、国の違法行為を、国の労働機関で是正指導させ、司法=国によって裁かせるという闘いの構図になります。
勝算は関係なく、たたかい抜きます。注目と支援をお願いします。

★刑務所事件国賠の第1回裁判の傍聴は

10月8日(木)13時30分から 神戸地裁2階の中法廷です。

法廷は未定ですが、神戸地裁正面入口に1時15分に集まってください。


2009.06.06
あぱけんKOBEから☆最新中事案の報告

大手派遣会社を通じ、そごう神戸店内にある派遣先の
(株)ちふれ化粧品売り場で働いていた女性の解雇問題。

両社との労働者派遣契約および雇用契約は8月31日までであった。
ちふれ化粧品の現場従業員らは、客からの商品やサービスへの苦情の真偽も調査せず、責任をすべて派遣入社後間もないその女性に押しつけて、2月および3月の間に三度にわたり、派遣会社の担当者同席の場で、ちふれの責任者が執拗に労働者派遣契約期間の短縮、つまりは中途解約を両社が共謀し強要したというトンでもない事件。即日解雇した理由は、ちふれの男性社員曰く「売り場の責任者に深夜に嫌がらせ電話やメールをしていたことを認めろ!」というもの。
本人はすべて否定したうえで「着信履歴を見せてください」とただすと、「気持ち悪いから消した」という始末。
まったくのでっちあげ・冤罪による不当解雇であり、人権侵害である。
現在、最初から団交拒否している派遣先ちふれ化粧品を、不当労働行為で兵庫県労働委員会に申し立ている。
「ちふれ」は中島公雄という東京の弁護士を代理人にたてて、直接自ら責任を取ろうとはしていません。

<抗議先>
株式会社 ちふれ化粧品  :埼玉県川越市芳野台2−8−59
代表取締役社長 松井弘之  電話:049-225-6101 Fax:049-225-6106

 

スタッフサービスからソーワエンジニアリングという船舶・造船関連工事を請け負う
神戸市に本社のある会社に派遣されていた女性の雇い止め解雇問題。

5年4ヶ月働いてきた。
契約上の業務内容は、労働者派遣法で定められている政令第10号の『財務事務』とされていたが、実際日常的に携わった業務の大半は、それとは違う[お茶くみ・トイレ掃除なども含む]全般的な仕事。
社長は「今回、新しいPCソフトを入れたが、それに見合うスキルが貴女には無いから」と決めつけて、同じスタッフサービスからの別の派遣女性と差し替えた。
組合員は兵庫労働局に申告し、4月下旬に先・元の両社に「是正指導」が為された。
政令業務違反(派遣法第35条の2/労働者派遣の期間)で派遣期間をすでに越えている(1年〜3年)から、直ちに派遣を中止しろとの内容。
ところが、派遣先ソーワは直接雇用・正社員化を拒否している。


2009.03.26
あぱけん KOBE☆フリーター・サバイバル講座☆第5弾/3.14
「派遣切り」を切る! <労働組合>を俎上に載せる!

神戸事務所の企画として 3月14日の夜、メインゲストに湯浅誠さん、パネラーとして高橋朱門さん・觜本 郁(はしもとかおる)さんらを招き、開催しました。これまでの企画ではせいぜい50人でしたが、今回は125人の参加がありました。反貧困の若き騎手である湯浅誠さんを目的に参加した方もおられたようです。


 

講座のタイトルは少し挑発的でしたが、企画した意思は労働組合をヤリ玉に上げて叩くことではありません。私たちは労働組合ですが、その日常の取り組みが十分だとは思っていません。いま雇用と貧困問題の解決に立ち向かうなかで、<労働組合>が果たして役に立っているのか?何が足らないのか?あるいは何か間違っていないのか?どうすべきなのか? などについて、湯浅誠さんや地元関西で多重債務・生活保護などの生活相談から、労働相談・野宿者支援などの問題を日常的に取りくんでおられるパネラーからの報告や、互いの意見交換のなかから、<労働組合>に明るい未来があるとすれば、どのように進めばいいのか みたいな議論の契機になればと期待しての呼びかけでした。

湯浅 誠さん は、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長、「年越し派遣村」村長、「反貧困ネットワーク」事務局長で39才。 觜本 郁さん は、神戸公務員ボランティア・神戸の冬を支える会を軸に生活相談を受ける50代。 高橋朱門さん は、大阪キタを中心に野宿労働者の問題をとりくむ20代。 小原久季 はあぱけん代表であり、学童保育指導員でメシを食う30代。司会進行はあぱけん神戸事務所の相談員である 内藤進夫 (すすむ)60歳が担当。

 

湯浅誠さん は、「貧困者からは生活相談と労働相談があるが、それは入り口と出口が一緒であり、 貧困はスパイラル状態 にある。我々も労働問題にはきちんとコミットできていない。生活相談をうけて少し安定させた上で、雇用・労働問題の相談を開始するので、このタイムラグを埋める居場所づくりの努力をやっていく必要がある。一方で労働組合が組合員のためだけに行動することが、組合員の利害に反することもある。最近は正規労働者の相談も増えてきている。貧困のスパイラルに対して、労働運動と生活サポートの運動が、貧困問題を社会の俎上に載せて、協力してセーフティネットの底上げを図っていく必要がある。年越し派遣村では No!と言える労働者を作りたかった。」

觜本さん は、「震災後取りくみ始めた。市役所のカウンターの外に出て野宿者の具体的な相談を聞くなかで、自分たちの仕事も変えていく必要があると感じた。所属する正規職員組合の対応は今も問題がある。」  高橋さん は、「日雇い労働で生きる労働者の現状は、派遣法以前。労働者派遣法が無くなったからといって、野宿者をとりまく雇用状況は何も変わらないだろう。」  小原 は、「現在の若者は労働者として最低の権利を教えられていない。ハケンから正社員になったとしても、それで劣悪な雇用問題が即座に解決するとは思えない。」などの意見が出されました。

その他、派遣労働をくりかえしてきた元組合員の40代男性は、過去に何度も生活保護の申請に行ったが受理されなかった。昨年末とり組まれた「年越し電話相談会」に相談を寄せたことを契機に、生活保護申請を司法書士と同行して、やっと受給が認められた体験を報告しました。

神戸刑務所で 管理栄養士 として業務委託契約の下に働いていた女性組合員は、 神戸刑務所が偽装請負 をやっていたこと。そこで刑務官が日常から雇用契約関係にない彼女に指示命令を行ない、反抗的だと請負会社に交代(人の差し替え)を要求され、解雇されることになった。納得できず、あぱけんに加入して刑務所と2度の団体交渉を行なってきたが、その後交渉を拒否している。現在、組合とともに神戸刑務所およびその監督機関である法務省を被告として、裁判提訴する予定ですとの訴えを行ないました。その支援のためのカンパもたくさん寄せられました。


2009.03.07

あぱけんKOBE☆フリーターサバイバル講座・第5弾




特別講演/ 湯浅 誠さん
自立生活サポートセンター・もやい事務局長/年越し「派遣村」村長
       反貧困ネットワーク事務局長

 

 

 


□パネルディスカッション
   觜本 郁さん(神戸公務員ボランティア・神戸の冬を支える会)
   高橋 朱門さん(大阪キタ扇町公園で年越しテント村をとりくんだ20代)
   小原 久季(あぱけん代表・学童保育指導員)

  司会進行/内藤すすむ(あぱけん相談員・無収入)

 

*「あぱけんKOBE」は、「アルバイト・派遣・パート関西労働組合神戸事務所」の略称です

 



2009.01.14

【続報 !! 】神戸刑務所事件 兵庫県労働委員会 命令書

前代未聞!初めて国=法務省の団交拒否を、不当労働行為と認定。

それでも棄却??? 兵庫県労委よ、おかしいぞ!!

2007年12月に申し立てた「神戸刑務所不当労働行為救済申立事件」の命令書が年末の12月24日の夜に届いた。

組合員Aの契約が終了し、別の管理栄養士が勤務している現在、復帰する可能性はないので、もはや団交再開を命じる必要はない。」として、訴えを棄却した。この論法でいくと、有期契約の非正規労働者は、労働委員会に救済申し立てても、契約期間の終了通告によって救われないことになってしまう。

兵庫県労働委員会は「救済の方法」と題した結論で、「兵庫労働局による是正勧告後に日本総合と神戸刑務所は、契約内容を改善したこと。神戸刑務所はAの職場復帰の可能性を残していたこと。(事実認定を誤認!) しかし、職場復帰の求めに応じなかった組合の態度により、問題の最終的な解決が困難となった。」と決めつけ、「このような経緯を経て、Aの雇用期間が終了し、現在Aが職場復帰する可能性はないので、団体交渉を命じる必要はない。」として、棄却したのである。

 さらに違法な交代要請=解雇によって職場から追い出され、団交拒否によって団結権・団体交渉権が侵害されたことに対する損害賠償の請求も、「不当労働行為制度になじまない。」と棄却した。このような不当な命令は受け入れることができない。

「神戸刑務所による団交拒否は不当労働行為と判断する。」

 県労委の下した「判断」は、(1)神戸刑務所の被申立人=適格性について、「神戸刑務所は法務省の一施設で、法律上独立した権利義務の主体とは言えない。」と却下した。

しかし、(2)もうひとつの被申立人である国=法務省の使用者性について、▽日常の指揮命令を「刑務所職員がAに直接に業務指示していた点。 ▽Aの早朝時間外労働については、本件委託契約および仕様書に基づき支払っていた事実から、黙示の業務指示がなされていた点。 ▽また兵庫労働局の是正指導において、日本総合サービス(雇用主の請負会社)の労働者Aが、神戸刑務所の指揮命令の下に従事し、服務等についても管理していたことが、いわゆる「偽装請負」と摘発された点。 ▽管理栄養士Aの交代要求について、「日本総合サービスは、刑務所長からの交代要請を受けて、Aに伝えると共にハローワークに次の求人を行なっており、神戸刑務所は管理栄養士の人選について、影響力を有していたと考えられる。」と認定した。「以上のことから、神戸刑務所所長がAの労働条件等について、部分的であるとはいえ、雇用主(日本総合サービス)と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定している実態があったと判断できる。」と認定している。

 国=法務省の被申立人適格について、「神戸刑務所長がおこなう行為の効果は、国に属する。本件において国は、Aの加入する組合からの団交申し入れに対し、労働組合法上の使用者として応じるべき地位にあり、被申立人の適格を有する。」と認定した。

 

つぎに団体交渉拒否については、

組合の要求した協議題のうち、(1)の管理栄養士Aの交代要請にいたる経過についての事実確認、 同議題(3)の交代要請にかんする神戸刑務所長の謝罪、この2つの議題については団交に応じる義務があるが、十分な説明を尽くしたとはいえない。また同議題(2)、Aの職場復帰後の就業環境にかんする具体的な改善策についても、なお団交をおこなう余地はあった。したがって、「第3回目の交渉要求の申し入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否であり、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断する。」と認めた。

後日、中央労働委員会に問い合わせたところ、国の機関が団交拒否による救済申立て事件において、不当労働行為であったと認定された前例は、1970年以降のデーターベースでは見当たらないとの回答であった。珍しいどころではなく、初めてのことかも知れない。

<申立人あぱけん(組合)の主張>

 組合とAは、(1)雇用関係に無い神戸刑務所長が交代要請したこと自体、職業安定法違反の犯罪行為である。(2)交代要請が正当な事実に基づかないのであれば、先ず「謝罪」が必要であると主張し、その為に交代を要求した「理由」についての労使協議をひきつづき求めた。(3)「何も無かったこととして、とにかく職場復帰して欲しい。」とのなし崩し提案に対して、Aと組合が応じなかったのは已むを得ない事であった。

偽装請負=違法な契約の下で不当な解雇要求を行なった神戸刑務所の法令順守意識の無さ。2000人を超える受刑者に対する調理・配食管理、栄養管理、衛生管理および指導などを一人で行なう業務が、刑務官の指示・同行無しに成り立つとの認識の問題。神戸刑務所内の管理部門と処遇部門の職員間の業務命令系統の不徹底さから発生したAの板ばさみ問題。これらについて2度に亘る団交開催当時も何一つ充分な説明を行なわず、その後も改善されることなく現在にいたっている。Aに対する釈明の機会も与えず、翌朝いちばんに刑務所長の決済を取り(所長の印影は無い公文書)、交代を迫ったのであった。「職場復帰したくてもできなかった実態を県労委は理解して判断したとは考えられない。

法務省矯正局が内部調査をおこなった結果からして、9割の刑事施設で神戸刑務所と同様に「偽装請負」状態にあった(朝日新聞 2008年9月10日掲載)。 衝立を刑務官との間仕切りとし、会社の業務管理責任者を刑務所内に常駐させたとしても、刑務所職員の指示命令なしには管理栄養士業務は成り立たないのは明白だ。(現在、日本総合サービスは元警察官を配置しているようだが、彼が管理栄養士に業務指示ができるとは考え難い。)

 

 ところで、この申立て[労委平成19年(不)第9号/神戸刑務所不当労働行為救済申立事件]を棄却した兵庫県労働委員会の公益委員会議のメンバーは、会長で公益委員の滝澤功治弁護士、担当審査委員の米田耕士弁護士、公益委員の大内伸哉神戸大教授(労働法)、川久保美智子関西学院大教授、島本健二元県職幹部、畑喜春元日赤幹部職ら。

いずれにしても、兵庫県労働委員会による棄却命令を容認することはできない。引きつづき法的な手段により、勝利をめざしてたたかい続ける。


【参考】

■朝日新聞記事「偽装請負神戸刑務所の団交拒否 不当労働行為と認定」

20081226日 朝刊掲載)

■神戸新聞 社会欄記事「神戸刑務所の栄養士救済、申し立て却下 県労委」 

20081226日 朝刊掲載)

Webニュース版  http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001630575.shtml

 

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